2種類の異なる因果モデルによる可能性的因果整合問題とその解の性質

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タイトル別名
  • Possibilistic Causality Consistency Problem Based on Two Different Causal Models and Properties of Its Solutions
  • 2シュルイ ノ コトナル インガ モデル ニ ヨル カノウセイテキ インガ セイゴウ モンダイ ト ソノ カイ ノ セイシツ

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抄録

因果関係の不確実性をより正確に表現するために条件付因果確率や条件付因果可能性が提案され, 一部の事象が既知であるときに未知事象の生起確率あるいは生起の可能性を求める推論方法が研究されている.条件付因果確率とは「ある原因がある結果を引き起こす事象」として定義される因果事象の原因事象による条件付確率である.また, 条件付因果可能性は因果事象を原因事象による条件付可能性である.本稿では, 因果事象を用いて因果モデルを扱うとき, 排他的な事象を値とする変数の性質によって値対称因果モデルと値非対称因果モデルの2種類に分類すべきことを提案する.そしてこの両モデルでは, 従来用いられてきた条件付可能性と条件付因果可能性の関係が異なることを示す.さらに, 階層型因果ネットワークを対象に, 複数の任意の変数が既知であるとき任意に選択された複数の未知変数が特定の値の組合せになる可能性を求める因果整合問題に適用し, その解法と解の性質を議論する.この議論は, 一部の証明を除き条件付因果可能性から求めた条件付可能性を用いて行うことが可能なため, 異なる2種類の因果モデルを全く同様に扱うことが可能である.また, 本稿で扱う因果整合問題は既存研究で扱われた因果逆問題や因果分析問題を含むより一般的な問題である.

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参考文献 (26)*注記

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