神経線維腫症1型に生じた巨大悪性末梢神経鞘腫瘍の1例

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  • Giant malignant peripheral nerve sheath tumor in a patient with neurofibromatosis type 1 : A case report

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抄録

40歳,女性。家族歴:母親に神経線維腫症1型。乳児期からカフェオレ斑があり,学童期以降に多数の神経線維腫が生じた。2007年11月頃より左頸部に皮下腫瘍が生じた。急速に増大し,全身状態も悪化した。2008年5月当科初診時,左頸部に約15cm大の腫瘤を認めた。一部は肉芽腫様を呈し,壊死・潰瘍を伴い,潰瘍底には多数の蛆がみられた。病理組織学的に異型性を示す紡錘形細胞の密な増殖を認め,S-100およびビメンチンが陽性を示し,悪性末梢神経鞘腫瘍と診断した。腫瘤は急速に増大し,6月には50cm大となった。血管塞栓術後を試みたが,巨大なため効果不十分であった。術中に大量出血があり,腫瘤摘出は断念した。肺および肝に多発性の転移を生じ,同年10月永眠した。予後不良の理由として,頸部に巨大腫瘤を生じたことが考えられた。

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参考文献 (11)*注記

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