菌食性昆虫寄生線虫<I>Contortylenchus genitalicola</I>のマツノマダラカミキリ成虫体内における密度非依存的な繁殖

  • 小坂 肇
    Forest Microbiology Division, Forestry and Forest Products Research Institute

書誌事項

タイトル別名
  • Density independent propagation of the entomophagous and mycetophagous nematode, <I>Contortylenchus genitalicola</I> (Tylenchida: Allantonematidae), within the Japanese pine sawyer, <I>Monochamus alternatus</I> (Coleoptera: Cerambycidae)
  • Density independent propagation of the entomophagous and mycetophagous nematode, Contortylenchus genitalicola(Tylenchida: Allantonematidae), within the Japanese pine sawyer, Monochamus alternatus(Coleoptera: Cerambycidae)

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説明

菌食性昆虫寄生線虫Contortylenchus genitalicolaは、特定の糸状菌を摂食して繁殖するだけでなく、森林害虫のマツノマダラカミキリに寄生して宿主成虫の生殖器内でも繁殖する。本研究では、マツノマダラカミキリ体内におけるC. genitalicolaの繁殖の特徴を明らかにすることを目的とした。マツノマダラカミキリ体内のC. genitalicolaの雌成虫と子孫 (幼虫及び卵) の数を宿主の性別に数え、また、宿主体サイズの指標としての宿主蛹重との関連を明らかにした。C. genitalicolaの繁殖は、マツノマダラカミキリの性や大きさに影響されなかった。また、C. genitalicolaの繁殖は、マツノマダラカミキリ体内の線虫雌成虫数が増えても抑制されない密度非依存的であった。これらの特徴のうち、C.genitalicolaの密度非依存的な繁殖は、密度依存的な繁殖より多くの感染態を生じる可能性がある点で、また、理論モデルにおいて宿主の個体数を制御する要因である点で、マツノマダラカミキリの生物的防除素材として有利であると考えられた。

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