日本の養豚農場における分娩時生存産子数より増加した離乳時子豚数が初産豚の次産次繁殖成績へ及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Increased Number of Pigs Weaned Compared to Pigs Born Alive on Sows’ Subsequent Reproductive Performance in Japanese Commercial Breeding Herds
  • Effect of Increased Number of Pigs Weaned Compared to Pigs Born Alive on Sows^|^rsquo; Subsequent Reproductive Performance in Japanese Commercial Breeding Herds

この論文をさがす

抄録

養豚農場において,里子技術は一般的に行われているマネジメントである。里子技術により,母豚の離乳時子豚数(PW) は分娩時生存産子数(PBA) よりも多くなることがある。本研究は,日本の農場においてPWがPBAよりも多かった母豚の成績を調査することを目的とした。113農場における2007年から2008年に分娩した経産豚60,790頭の163,047回の産次記録と,22,711頭の生涯記録を分析に用いた。母豚は,PWがPBAよりも多いIncreased-PW母豚と,PWがPBA以下であったDecreased-PW母豚に分類された。分析には母豚をレベル1,農場をレベル2とした2階層混合効果モデルを用いた。Increased-PW母豚の分布割合は1産次で32.3%,2産次以上で23.3%であった。Increased-PW母豚の補正21日齢一腹子豚体重は,Decreased-PW母豚よりも重かった(P<0.05) 。しかし,Decreased-PW母豚に比べ,Increased-PW母豚の離乳後初回交配日数は長く,分娩割合は低く,次産次PBAは少なかった(P<0.05) 。PWが4頭から15頭に増加するにつれ,1産次のIncreased-PW母豚では離乳後初回交配日数は1.14日増加したが、2産次以上のIncreased-PW母豚では0.50日しか増加しなかった。さらに,Increased-PW母豚の3産次までの生存割合は,Decreased-PW母豚よりも低かった(P<0.05) 。同様に,Decreased-PW母豚に比べ,Increased-PW母豚の淘汰産次は低く,生涯平均生存産子数も少なかった(P<0.05) 。結論として,Increased-PW母豚はDecreased-PW母豚よりも良い授乳成績であったが、繁殖成績,生涯成績は低かった。生産者は,1産次の母豚にあまりに多くの子豚を里子するべきではない。

収録刊行物

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ