生体腎移植を施行したDenys‐Drash症候群の1例

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タイトル別名
  • A case of allogenic renal transplantation in patient with Denys-Drash syndrome

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説明

症例は2歳7ヵ月,男児。生下時から尿道下裂,停留睾丸を指摘されていた。1歳4ヵ月,腸重積で他院入院の際に,蛋白尿,低蛋白血症を指摘され,ネフローゼ症候群と診断。ステロイド,シクロスポリンにより加療されたが薬剤抵抗性を示し,経過中腎機能低下をみたため,当科転院となった。1歳6ヵ月,開放腎生検とともに腹膜透析を開始した。生検での組織像はdiffuse mesangial sclerosisを呈し,また遺伝子解析でWT1遺伝子exon9にheteromutationを認め,Denys-Drash症候群と確定診断した。腹膜透析導入後もCre.値は高値で推移し,体重増加も不良であった。2歳6ヵ月,都立清瀬小児病院にて両側腎摘出術を,2歳7ヵ月,母方祖父をdonorとした生体腎移植を施行した。術後すみやかにCre.値の低下をみ,その後はm-PSL,タクロリムス,ミゾリビンの3剤による免疫抑制療法を施行し,拒絶反応なく良好に経過している。今後とも拒絶反応や精巣腫瘍の発生に注意し経過観察を行っていく。

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