関節リウマチ診療において構造的寛解の達成に画像的寛解は必要か?
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- 池田 啓
- 千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科
書誌事項
- タイトル別名
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- Is imaging remission necessary to achieve structural remission in management of rheumatoid arthritis?
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説明
関節リウマチ患者における関節破壊は疾患活動性と密接に関わることがよく知られているが,古典的抗リウマチ薬(DMARD)治療により臨床的寛解にある症例では,関節破壊が緩徐に進行する例が少なからず存在することが報告されている.これは関節の診察所見に基づいた臨床的寛解基準の精度の限界を示すものであり,正確に構造的寛解を達成するためには超音波やMRI等の高感度画像診断による滑膜評価が有効である.<br> 一方高感度画像診断による画像的寛解の必要性は,患者および関節レベルの様々な要因により影響を受ける.抗TNFα製剤とMTXを併用投与された比較的早期のRA患者では,臨床効果が不十分であった症例においても関節破壊が非常に低く抑えられることが示されており,治療目標は臨床的寛解で充分であることが示唆される.またリウマチ因子や抗CCP抗体陽性等の既知の関節破壊リスク因子を有する症例では潜在性滑膜炎により関節破壊が進行しやすく,画像的寛解の達成が望ましい.関節レベルでは,荷重関節および既存の構造破壊を有する関節では関節破壊が容易に進行しやすく,潜在性滑膜炎までターゲットとした治療戦略が考慮される.
収録刊行物
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- 臨床リウマチ
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臨床リウマチ 24 (4), 314-319, 2012
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204342011136
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- NII論文ID
- 130005094910
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- ISSN
- 21890595
- 09148760
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可