切除不能胃癌化学療法中にニューモシスチス肺炎発症が疑われた1例

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  • A Case of Suspected Pneumocystis Pneumonia During Chemotherapy for Unresectable Gastric Cancer

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抄録

胃癌化学療法中にニューモシスチス肺炎(pneumocystis pneumonia:以下PCP)発症を疑った1例を経験したので報告する.症例は60歳男性,切除不能胃癌(T4a,N3,M1:Stage Ⅳ)に対する化学療法としてS-1+CDDP,PTX,S-1+TXTを投与した.休薬中に呼吸困難が出現し,胸部単純X線および胸部CT検査で両肺野にびまん性すりガラス陰影を認め,同時にβ-D-glucan高値を認めたためPCPと診断した.人工呼吸器管理並びにST合剤,ステロイドを投与し病態や画像所見は改善した.PCPは致死的な日和見感染症であり,一般的には免疫抑制療法時やHuman immunodeficiency virus(以下HIV)感染者に発症するリスクが高い.消化器癌においても,化学療法並びにステロイド投与中の患者は,PCP発症の可能性を十分念頭に置く必要があると考えられた.

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