成人仙骨前類表皮嚢胞の1例と本邦報告例の集計

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Adult Presacral Epidermoid Cyst and Reported Cases in Japan

この論文をさがす

説明

症例は61歳の男性.平成18年6月,胃GISTに対し胃部分切除を施行し外来経過観察中であった.平成20年10月,腹部造影CT検査で仙骨前面に径6cm大の腫瘤を認めた.追加したMRIでは内部不均一に描出され,CTガイド下に生検を施行したが確定診断には至らず,仙骨前腫瘤の診断で手術を施行した.明らかな直腸壁との交通を認めず,また辺縁も明瞭であったため局所切除可能と判断し経仙骨的にアプローチすると,弾性軟な嚢胞性腫瘤で,一部壁を損傷したが完全に摘出しえた.内容は灰褐色,粥状で,嚢胞壁に腫瘍性部分を認めず,類表皮嚢胞と診断した.術後合併症なく経過し,10日目に退院した.仙骨前部には胎生期にcaudal endが存在し多数の胎児期組織が集合しているため,さまざまな腫瘤が発生しやすいとされる.しかし,前仙骨部腫瘤は成人には稀であるため,文献的考察を加え報告した.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ