早期胆嚢癌に対する腹腔鏡下胆嚢全層切除のコツとその剥離層の組織学的検討

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タイトル別名
  • Laparoscopic whole layer cholecystectomy for early gallbladder carcinoma

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説明

早期胆嚢癌ないし胆嚢癌疑診例に対する標準術式は開腹での胆嚢全層切除と1群リンパ節郭清であるが,本邦の胆道癌診療ガイドラインにおいては,腹腔鏡下手術は漿膜下層での胆嚢床剥離が行われるため推奨できないとされている.しかしわれわれは胆嚢床にLaennec被膜を残す層での胆嚢剥離により,胆嚢側の漿膜下層が薄い膜用構造物に包まれた状態で胆嚢全層切除を行うことができることを組織学的に確認した.そしてそのような剥離を行う際の注意点を明確にして手技を標準化し,7例において腹腔鏡下胆嚢全層切除術を行い良好な結果を得ることができた.本手技では肝臓側からの制御不能の出血に難渋することなく,また漿膜下層が膜様構造物に包まれた状態で胆嚢全層切除を行うことが可能であり,胆嚢癌疑診例や早期胆嚢癌例に対する低侵襲的アプローチとして標準手技のひとつになり得ると考えられる.

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 27 (4), 705-711, 2013

    一般社団法人 日本胆道学会

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