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説明
過去10年間に経験した経皮的腎瘻造設術 (PCN) 73症例につき, その有用性を検討した。PCNを行う目的は閉塞性腎症の機能回復が41例, 水腎症の腎機能保護が18例, 医原性尿管損傷による尿漏の改善が14例であった。閉塞性腎症においては悪性腫瘍患者の腎不全による死亡を回避することができ, 侵襲も低く有用であった。各種原因による水腎症では, PCNを行うことにより最終的に18例中16例 (88.9%) で腎の保存が可能となった。医原性尿管損傷においては, PCNにより尿漏が改善されたのはもとより14例中6例 (42.9%) では腎瘻のみで尿漏を治癒せしめることができた。PCNの合併症はカテーテル閉塞をきたす出血, 38°C, 3日以上の発熱がそれぞれ4例 (5.5%) に認められたのみで, 重篤なものはなかった。PCNは様々な上部尿路病変に対し安全かつ有用な治療法と考えられた。
収録刊行物
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- 日本外科系連合学会誌
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日本外科系連合学会誌 21 (2), 204-208, 1996
日本外科系連合学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204347890688
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- NII論文ID
- 130006790222
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- ISSN
- 18829112
- 03857883
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可