アシアロシンチを用いた肝細胞癌の切除術式選択

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肝細胞膜表面に存在するアシアロ糖蛋白受容体を特異的に認識する99mTc-GSAを用いて肝切除術前の肝予備能を検討した。肝癌90例を対象とした。手術術式は肝亜区域切除55例, 肝1区域切除19例, 肝2区域切除13例, 肝3区域切除3例であった。肝予備能の評価として術前にGSA検査による肝受容体量 (GSA-Rmax) とICG15分停滞率 (ICGR15), さらに各種肝機能検査を行った。GSA-RmaxはICGR15と有意な相関関係を認めた。GOT, ALP, ZTT, A/G ratio, PT, TFはGSA-Rmax値とのみ有意な相関を認めた。GSA-RmaxとICGR15との乖離は15例にみられた。肝切除標本を用いた検討では, GSA-Rmaxは組織学的肝障害度と有意な相関を認めたが, ICGR15とは相関は認められなかった。術前のGSA-Rmax値が0.35mg/min以下の症例に対する2区域以上の肝切除は術後肝不全を来す危険性が高いと考えられた。

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