小腸虚血再灌流障害におけるbacterial translocationの発現と抗CINC抗体の投与効果に関する検討

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  • Bacterial Translocation in Small Intestinal Ischemia-reperfusion Injury andEffects of Anti-cytokine-induced Neutrophil Chemoattract Monoclonal Antibody

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抄録

小腸虚血再灌流障害におけるbacterial translocationの関与, ならびに抗CINC抗体の投与効果を検討した。ラットを用いて上腸間膜動脈遮断 (90分間) による小腸虚血再灌流モデルを作製し, 対照群には生食, 治療群には抗CINC抗体を虚血直前に投与した。[検討項目] (1) 腸間膜リンパ節, 血中細菌培養, (2) エンドトキシン, (3) 血中サイトカイン (TNF-α, IL-6, CINC), (4) 小腸組織学的所見, (5) 生存率。[結果] 再灌流6時間後より腸間膜リンパ節に細菌が検出されたが, 治療群では対照群に比し有意に低率であった。血中細菌培養とエンドトキシンは24時間後まで両群とも陰性であった。再灌流後, 血中サイトカインの上昇が認められたが治療群ではその上昇が軽度で, 組織学的にも好中球浸潤と粘膜障害が軽減され, 1週間生存率も改善された。[総括] 小腸虚血再灌流障害においてbacterial translocationがリンパ行性優位に発生すること, また小腸虚血再灌流障害に対する抗CINC抗体の抑制効果が示唆された。

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