胆道疾患に対する超音波内視鏡検査による診断と治療

  • 伊藤 啓
    仙台市医療センター・仙台オープン病院消化器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Diagnosis and treatment by endoscopic ultrasonography for biliary diseases

説明

要旨:胆道疾患の診断に対するEUS関連手技の役割は,病変の拾い上げと質的診断,腫瘍性病変の進展度診断,治療への応用に分けられる.EUSは,胆嚢癌や胆管癌の壁深達度診断や側方進展度診断,乳頭部腫瘍の膵浸潤や胆管膵管進展の診断に有用である.従来の病理学的手法で診断が困難な胆道腫瘍にEUS-FNAが有用と報告されている.<br> 近年,EUSを用いた胆管ドレナージの有用性に関する報告がみられる.消化管を介して肝内外胆管のドレナージを行なう手法であり,瘻孔にstentを留置する方法,ランデブー法,内瘻化するためのルートとして狭窄部にstentを留置する方法がある.急性胆嚢炎に対しても,EUSを用いた胆嚢ドレナージの有用性が報告されている.胃もしくは十二指腸壁を介して胆嚢を穿刺し,ドレナージチューブを留置する手法である.両臓器の間に癒着がないため,胆汁漏出に伴う胆汁性腹膜炎のリスクが高く,手技やデバイスの改良が必要である.<br>

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 27 (2), 154-166, 2013

    一般社団法人 日本胆道学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204349759616
  • NII論文ID
    130004545471
  • DOI
    10.11210/tando.27.154
  • ISSN
    18836879
    09140077
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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