肝静脈の血行動態からみた腹腔鏡下肝切除における炭酸ガス気腹の影響について

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  • Hemodynamics of Hepatic Vein During CO<SUB>2</SUB>Pneumoperitoneum for Laparoscopic Hepatectomy

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抄録

腹腔鏡下肝切除における炭酸ガス気腹法の安全性を検討するために, 肝静脈系の血行動態に注目し実験的検討を行った。ブタを全麻下に気腹しトラカールを3本穿刺したのち, 上大静脈, および肝静脈にカテーテルを留置した。ここで気腹群と気腹+肝切除群を作成し, それぞれ以下の検討を行った。まず気腹圧を徐々に増加させたときの肝静脈の形態的変化を腹腔鏡用超音波で観察し, 中心静脈圧および肝静脈血中炭酸ガス濃度を経時的に測定した。気腹+肝切除群の肝静脈血中炭酸ガス濃度は, 気腹群にくらべ有意に増加した。さらに腹腔鏡用超音波検査では, 両群ともに前値にくらべ有意な肝静脈径の拡張が確認されたが, 肝静脈の内部エコー輝度の上昇は気腹+肝切除群にのみ確認された。中心静脈圧は両群とも前値にくらべ有意な増加を示した。炭酸ガス気腹下の腹腔鏡下肝切除は, 炭酸ガス塞栓症を引き起こす可能性があるため, 腹壁つり上げ法による視野展開が必要である。

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