アイソザイムによる石垣島のアオリイカ個体群の遺伝的独立性の検証

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タイトル別名
  • Evidence on the Existence of Three Species in the Oval Squid Sepioteuthis lessoniana Complex in Ishigaki Island, Okinawa, Southwestern Japan, by Isozyme Analyses
  • アイソザイムによる石垣島のアオリイカ個体群の遺伝的独立性の検証〔英文〕
  • アイソザイム ニ ヨル イシガキジマ ノ アオリイカ コタイグン ノ イデンテ

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抄録

アオリイカSepioteuthis lessonianaは閉眼類ジンドウイカ科に属し, 日本では北海道南部から沖縄地方にかけて生息する。沖縄県石垣島では本種は水産上重要種とされ, 漁業者によってその出現期, 体色の違いからアカイカ, シロイカ, クアイカの3型に分けられている。一方, この海域での本種の産卵生態も1卵嚢中の平均卵数, 産卵基盤, 被食性の違いから3型に分けられている。そこで本研究では漁業で区別される成体と, 明らかに形態の異なる卵についてアイソザイム分析をおこない, その遺伝的類縁関係について検討した。その結果, 検出された9酵素11遺伝子座のうちアスパラギン酸アミノ転移酵素(AAT)に関与している遺伝子座でそれぞれ独立の対立遺伝子を持ち, アカイカとシロイカはその他の2遺伝子座, シロイカとクアイカは4遺伝子座, またアカイカとクアイカは2遺伝子座で置換があり, これら3型の遺伝的独立性が証明された。さらに卵のアイソザイムパターンの異同から各3型は産卵生態も独立していることが明らかになった。これらのことから本海域のアオリイカ3型はそれぞれ別種と考えられる。

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被引用文献 (7)*注記

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