ニュージーランドの開放海岸に生息する大型深潜没二枚貝トヘロア(チドリマスオガイ科)の底質にもぐる速さと位置・方位

書誌事項

タイトル別名
  • Burrowing Ability and Life Position of Toheroa (Paphies ventricosa : Mesodesmatidae), an Unusually Large, Deep-Burrowing Ocean Beach Bivalve Endemic to New Zealand
  • ニュージーランドの開放海岸に生息する大型深潜没二枚貝トヘロア(チドリマスオガイ科)の底質にもぐる速さと位置・方位〔英文〕
  • ニュージーランド ノ カイホウ カイガン ニ セイソクスル オオガタ シンセン

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説明

トヘロアはニュージーランドの開放海岸潮間帯に密集層を形成して生息するチドリマスオガイ科の大型二枚貝である。オークランド北西のムリワイ海岸でその生息位置, 方位, 運動能力を観察した。多くの個体は, 殻を海岸線と平行, または背縁を海側に向けている。これらの殻の向きは, 波に洗い出された貝が引き波に流されながら再びもぐる向きと一致しており, 最も開放的な海岸の潮間帯に適応したトヘロアが, 頻繁に洗い出されているという事実とよく合う。トヘロアは, Stanley(1970)の潜入速度の指標値で, 2-11を示し, 急速潜没二枚貝であることが確かめられた。幼貝の指標値は特に大きく, 二枚貝の中で最もすばやくもぐるナミノコガイ科の値と同程度に達する。一方, 底質にもぐる深さは, 平均的な殻サイズ10cmの個体で約10cmであり, 開放海岸潮間帯の二枚貝としては例外的と言えるほど深い。物理的に不安的な生息場所である浅海砂泥底の内生二枚貝に普通に認められる適応型は, 底質に浅くもぐりながら洗い出されてもすばやくもぐる能力を発達させるものと, 洗い出される危険をほとんど回避できるほど深くもぐるかわりに再潜入能力を放棄するものの二つであるが, トヘロアは両者の折衷した特異な適応を示している。

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参考文献 (24)*注記

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