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- HAMADA Sakko
- Tokai Regional Fisheries Research Laboratory
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- OKUTANI Takashi
- Tokai Regional Fisheries Research Laboratory
Bibliographic Information
- Other Title
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- アワビ穿孔性二枚貝, Navea subglobosa GRAY, およびその被害について
- アワビ穿孔性二枚貝,Navea subglobosa GRAY,およびその被害について〔英文〕
- アワビ センコウセイ ニマイガイ , Navea subglobosa GRAY , オヨビ ソノ ヒガイ ニ ツイテ エイブン
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Abstract
1965年10月野比地先で採捕されたマダカアワビと荒崎地先で採捕され沿岸蓄養池で1ヶ年蓄養されていたメガイアワビを採卵用として購入し, 採卵実験後も東海区水研荒崎庁舎のコンクリート水槽で飼育してきたところ, 1966年8月頃から斃死する個体が目立ってきた。これらの斃死個体を開いてみると貝殻の真珠層に点々と褐色斑があり, 又外套にも同様のしみがあることが発見された。更に真珠層が異変しているのみならず低い瘤状突起になっている所を剥離してみると貝殻の背面から円形の孔が貫通していて中にカモメガイ科の二枚貝が寄生していて, これが穿孔したものと判った。この二枚貝を調べた結果これは, 従来北米西岸からしか知られて居なかったNavea subglobosa GRAY, 1851とほぼ同定された。穿孔道がアワビの貝殻の厚さより短いうちは問題にならないが, 貫通してアワビの外套膜を刺戟して外套から真珠層やコンキオリンを異常分泌し黒色の瘤状突起などを形成するものと思われる。上記マダカアワビおよびメガイアワビ各15個体についてアワビの殻の穿孔部位別に算立した結果, Table 1のように外唇やアワビの頭部等にあたる所には少なく, 内唇部, 殻軸筋部, および肝蔵・生殖巣にあたる部分に偏っている傾向のあることが判った。又殻軸筋の所に穿孔したものは単純な瘤状突起にならず顆粒状になる傾向がある。いずれにしてもこのように多数の(最大78)のNaveaに穿孔されるとアワビの摂餌のみならず全体の活力低下を招く事は当然であろう。現在Naveaの成長度が不明なので断言は出来ないが恐らく採捕前に付着したものと思われ, 同じ水槽に同居させたクロアワビには穿孔のあとは認められなかった。アワビの商品価値はは生貝にかかっていたので, 蓄養も単期間であったためNaveaの被害は従来気が付かれなかったものであろう。なお, Navea subglobosaはTURNER(1955)によってPenitella conradi VALENCIENNES(北米産)の生態型のひとつと考えられているが, 中板の型が異ると思われるので仮に古い名のまま使った。
Journal
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- Venus (Japanese Journal of Malacology)
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Venus (Japanese Journal of Malacology) 26 (2), 41-_46-1_, 1967
The Malacological Society of Japan
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204351176832
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- NII Article ID
- 110004762540
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- NII Book ID
- AN00410236
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- ISSN
- 24329967
- 00423580
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- NDL BIB ID
- 8128138
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- Text Lang
- en
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- Data Source
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
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