多重染色FISH法による腸内フローラ解析

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Intestinal Microflora by Multicolor Fluorescence <i>in situ</i> Hybridization Technology

この論文をさがす

抄録

複雑な腸内フローラを正確かつ詳細に解析するために,種々の分子生物学的手法が開発されている.Fluorescence in situ hybridization(FISH)法は,形態を保持したまま細菌を検出するため,細菌の空間分布解析に有用である.さらに,複数の標識プローブを同時に用いる多重染色FISH法は,腸管局所における細菌の構成,分布を同時に解析できるため,通常のFISH法よりも複雑な腸内フローラ解析が可能である.我々は,ヒトの糞便から分離される7種のBifidobacterium属菌種を同時に検出できる多重染色FISH法を開発した.さらに,マウス盲腸粘膜組織を用いて,多重染色FISH法により腸管粘膜細菌叢を解析するための至適条件を構築した.多重染色FISH法により炎症性腸疾患患者の糞便および腸管粘膜細菌叢を解析した結果,両者では細菌構成が異なることを見出した.今後,細菌の機能遺伝子を標的とするFISH法の開発により,ヒトの健康と疾病に関与する腸内細菌の解明に繋がることが期待される.<br>

収録刊行物

  • 腸内細菌学雑誌

    腸内細菌学雑誌 29 (3), 123-134, 2015

    公益財団法人 腸内細菌学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ