ムラサキイガイ個体群の密度効果について

書誌事項

タイトル別名
  • On the Density Effect in Populations of the Mussel, Mytilus galloprovincialis
  • ムラサキイガイ個体群の密度効果について〔英文〕
  • ムラサキイガイ コタイグン ノ ミツド コウカ ニ ツイテ エイブン

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説明

ムラサキガイの自然個体群における密度効果を調べた。そこで, 個体群の密度が高ければ高いほど, 平均個体重は小さくなるという結果を得た。このことは, 個体群の密度と平均個体重が逆比例していることを意味する。また, 個体群密度と現存量は正比例の関係にある。それ故, 現存量の高いところでは, 個体は小さく, 生長はおそくなる。個体群標本を表層部と底層部に分けて採集し, それぞれの平均サイズを求めると, 表層部の個体のサイズは底層部のものよりも有意な差を持って大きい。このことは, 群の表層部では生長が速く, 底層部ではおそいことを示している。また個体数密度の高いところでは死亡個体数が大きくなる。死亡する個体はサイズ分布の小さな個体の部分に集中する。個体数密度が大きく, 現存量の多いところでは, 生長がおくれ, まびきが多くなり, その結果現存量は減少するものと思われる。逆に密度が小さく, 現存量の少いところでは, 生長が速まり, 現存量が大きくなるものと思われる。このような自己調節が個体群内に働いているものと考えられる。

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