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- 池田 勝久
- 順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学講座
書誌事項
- タイトル別名
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- Pathophysiology and treatment strategy of chronic rhinosinusitis with nasal polyps
- 慢性鼻副鼻腔炎・鼻茸の病態と治療
- マンセイ ビ フクビコウエン ・ ハナタケ ノ ビョウタイ ト チリョウ
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説明
国際的なコンセンサスのある鼻副鼻腔炎の臨床的分類は①急性化膿性鼻副鼻腔炎,②鼻茸を伴わない慢性鼻副鼻腔炎,③鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎,④アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎である。鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎の病理組織学所見から,好酸球型と非好酸球型に区別することで慢性鼻副鼻腔炎の亜分類を試みたことから,好酸球性副鼻腔炎の概念が生まれた。近年,アジア人種の鼻茸には白色人種とは異なる生物学的な特徴が示唆されてきている。今回,日本人における鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎の細分類を試み,臨床像や病理像を検討した。2007年4月から2010年3月までの3年間に,当院で内視鏡下副鼻腔手術を施行した鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の患者13~80歳の130症例を対象とした。鼻茸組織の好酸球・好中球数と鼻茸再発の予後によって,好酸球性を400倍視野で100個,好中球性を20個以上として,それ以下を非好酸球・非好中球性と再分類した。好酸球性は42例,好中球性27例,非好酸球・非好中球性61例に分類できた。血中好酸球数と再発率は好酸球性で他の2群よりも有意に高かった。血中IgE値は好酸球性,非好酸球・非好中球性,好中球性の順に高かった。症状スコアとCTスコアは好酸球性が有意に好中球性より高かった。免疫組織学的には好酸球群でeotaxin,IL-17A,MUC5AC,CD68の発現が他の2群よりも高かった。 好酸球性鼻茸は血中好酸球の増多,重症,予後不良の病態が確認され,好酸球性,好中球性,非好酸球・非好中球性の細分類は種々の病態生理を反映していることが分かった。<br>
収録刊行物
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- 耳鼻咽喉科免疫アレルギー
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耳鼻咽喉科免疫アレルギー 31 (3), 219-224, 2013
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204352743040
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- NII論文ID
- 10031182266
- 130004561999
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- NII書誌ID
- AN00107089
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- ISSN
- 21855900
- 18844545
- 09130691
- 00326313
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- NDL書誌ID
- 024767261
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可