水素結合性小分子による核酸塩基認識と一塩基多型蛍光検出

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タイトル別名
  • Nucleobase recognition by hydrogen bond forming ligands and its use for fluorescence detection of single-nucleotide polymorphisms
  • スイソ ケツゴウセイ ショウブンシ ニ ヨル カクサン エンキ ニンシキ ト 1エンキ タケイ ケイコウ ケンシュツ

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抄録

分析反応場としてDNA脱塩基部位(AP sites,apurinic/apyrimidinic sites)を利用する水素結合性小分子による核酸塩基認識,並びにこれを一塩基多型(SNPs,single nucleotide polymorphisms)の蛍光検出に適用した結果を述べる.脱塩基部位は生体内における塩基除去修復過程の中間体として生成することが知られているが,本研究ではDNA二重鎖中に意図的に構築し,これを分析反応場として利用する.つまり,標的塩基を含む一重鎖DNAと脱塩基部位を有する一重鎖DNAをハイブリダイゼーションさせることで標的塩基の向側に疎水場空間を構築させた後,同空間中において水素結合性リガンドとの錯形成を行うというものである.水素結合性リガンドとしてAMND(2-amino-7-methyl-1,8-naphthyridine)及びプテリン(2-amino-4-oxopteridine)の錯形成挙動を評価したところ,いずれのリガンドも著しい蛍光消光を伴って,それぞれシトシン(K11>1.0×106 M-1)及びグアニン(K11=1.2×104 M-1)を強力かつ選択的に認識しうることを見いだした.また,本系をがん抑制遺伝子p53の一塩基多型の蛍光検出に適用したところ,AMNDによるシトシン/グアニン変異,及びプテリンによるグアニン/アデニン変異検出が可能であることを明らかにした.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 53 (5), 383-391, 2004

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (74)*注記

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