ガラスキャピラリー濃縮法を利用する亜鉛のフローインジェクション吸光光度定量

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タイトル別名
  • Flow-injection spectrophotometry of zinc by an on-line concentration method using a glass capillary tube
  • ガラス キャピラリー ノウシュクホウ オ リヨウ スル アエン ノ フローインジェクション キュウコウ コウド テイリョウ

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抄録

フローインジェクション分析におけるガラスキャピラリーを利用した予備濃縮法について検討した.ガラスキャピラリー内表面に吸着濃縮されたZn(II),Cu(II),Pb(II),Cd(II) は微少量の希硝酸で溶離することができ,濃縮効率はZn(II): 166倍,Cu(II): 143倍,Pb(II): 394倍,Cd(II): 102倍であった.溶離後は4-(2-ピリジルアゾ)レゾルシノールにより吸光光度定量された.また,本法とアルカリ処理したテフロンチューブを濃縮材として用いた方法を比較した結果,本法の分析感度はテフロンチューブを濃縮材としたときの方法と比べて濃縮時間5分でZn(II): 約5倍,Pb(II): 約4.5倍,Cd(II): 約2.5倍となり,濃縮時間10分でZn(II) は約10倍となった.再現性もガラスキャピラリーのほうが優れており,5分間の濃縮でZn(II) の検出限界(0.07 ppb)は,濃縮なしの誘導結合プラズマ質量分析法と同程度の値が得られた.また,水道水中のZn(II) を定量する場合は,共存するCu(II),Fe(III) をチオ硫酸ナトリウムで,Cd(II) をヨウ化カリウムで,Mn(II) をトリエタノールアミンでマスクキングした.これらのマスキング剤を使用し,水道水中のZn(II) を定量した結果は,誘導結合プラズマ原子発光分析法の結果とよく一致した.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 53 (2), 71-77, 2004

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (23)*注記

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