大気・雨水中過酸化水素及び有機過酸化物の定量と動態解析

  • 黄 松南
    京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科物質工学専攻
  • 布施 泰朗
    京都工芸繊維大学環境科学センター
  • 山田 悦
    京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科物質工学専攻 京都工芸繊維大学環境科学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement and behavior analysis of hydrogen peroxide and organic peroxides in the atmosphere and rainwater
  • タイキ ウスイ チュウ カサンカスイソ オヨビ ユウキ カサンカブツ ノ テイリョウ ト ドウタイ カイセキ

この論文をさがす

抄録

大気及び雨水中過酸化水素と有機過酸化物の定量法を開発し,これらの環境での動態及び森林生態系への影響を検討した.大気中過酸化水素は0.18~6.96 ppbvの濃度範囲で,夏に高く,冬に低いという季節変化を示した.大気中有機過酸化物は,主にmethylhydroperoxide(MHP)が6~9月にのみ検出され,濃度範囲0.07~0.29 ppbvであった.大気中有機過酸化物濃度は,過酸化水素と同様に温度と正の相関があり,気温25℃ 付近で増加した.一方,大気中有機過酸化物濃度は過酸化水素とは異なり湿度と正の相関を示し,オゾン濃度とも正の相関を示したが,日射量,紫外線量とは明確な関係は認められなかった.雨水中過酸化水素濃度は6~8月に50 μMを超える場合もあった.雨水中有機過酸化物はhydroxymethylhydroperoxideとMHPが夏季の6~8月にのみ検出され,その濃度は2 μM以下の低い値であった.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 53 (9), 875-881, 2004

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (25)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ