タンパク質による前濃縮法を用いた環境試料中の銀の電気加熱原子吸光分析

  • 江草 清行
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻
  • 金子 聡
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻
  • 近藤 欣正
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻
  • 勝又 英之
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻
  • 鈴木 透
    三重大学環境保全センター
  • 太田 清久
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻 三重大学環境保全センター

書誌事項

タイトル別名
  • Determination of Silver in Environmental Samples by Electrothermal Atomic Absorption Spectrometry after Preconcentration with Protein
  • タンパクシツ ニ ヨル マエ ノウシュク ホウ オ モチイタ カンキョウ シリョウ チュウ ノ ギン ノ デンキ カネツ ゲンシ キュウコウ ブンセキ

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抄録

タンパク質を用いたバイオソープション前濃縮法と黒鉛炉原子吸光分析法を組み合わせ,環境水中の銀の定量を行った.タンパク質には,ヌトロース(カゼインナトリウム)を用いた.試料溶液のpH,撹拌時間,ヌトロース量,灰化温度,原子化温度,マトリックス元素などの影響を調べ,前濃縮条件を最適化した.最適な灰化温度と原子化温度は,それぞれ350℃ と1400℃ であった.本法による銀の濃縮倍率は15.5倍であった.検量線のダイナミックレンジは,銀0.1~3 ng/mLであった.検出限界(3S/N)は9 pg/mLであった.銀1.0 ng/mLを7回測定した場合の再現性は,相対標準偏差(R.S.D.)で5.6% であった.他元素の影響を検討したが,干渉はほとんど見られなかった.本法を池水中の銀の定量に適応し,満足いく結果が得られた.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 59 (12), 1113-1117, 2010

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (27)*注記

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