酸素高圧燃焼法/誘導結合プラズマ質量分析法による石炭試料中バナジウム,ヒ素,セレン,カドミウム,バリウム及び鉛の同時定量

  • 秋山 和子
    日本女子大学大学院理学研究科物質•生物機能科学専攻
  • 蟻川 芳子
    日本女子大学大学院理学研究科物質•生物機能科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Simultaneous Determination of V, As, Se, Cd, Ba and Pb in Coal by ICP-MS after High Pressure Oxygen Combustion
  • サンソ コウアツ ネンショウホウ ユウドウ ケツゴウ プラズマ シツリョウ ブンセキホウ ニ ヨル セキタン シリョウチュウ バナジウム ヒソ セレン カドミウム バリウム オヨビ ナマリ ノ ドウジ テイリョウ

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説明

石炭中には周期表中のほとんどの元素が幅広い濃度範囲で取り込まれており,現在84元素の存在が確認されている.これらの元素のうちmg kg−1オーダーで含まれる元素について,高圧酸素下での燃焼による固体試料の分解と誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)を組み合わせて,迅速かつ精度よく同時定量できる方法を確立した.粉末にした石炭試料300 mgと助燃剤としてのデンプン600 mgの混合物を燃焼用試料とし,5 mLの5% 硝酸-1% 過酸化水素を入れたボンブ内で,3 MPaの高圧酸素下で燃焼させる.石炭中の元素は酸化物となり,酸性溶液中に溶解して石炭から回収される.この溶液をA過•希釈してICP-MS測定用溶液とする.NIST SRM 1632b,1632cを標準試料として用い,ReとRhによる内部標準法で定量を行ったところ,V,As,Se,Cd,Ba,Pbの6元素において認証値とよく一致した.本研究における定量値は,マイクロ波酸湿式分解法-ICP-MSによる同試料の定量値ともよく一致した.この方法を実試料に応用し,産炭地の異なる20種類の石炭中6元素(V,As,Se,Cd,Ba,Pb)の存在度を求めた.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 56 (4), 213-219, 2007

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (26)*注記

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