局所麻酔薬ジブカインカチオンセンサーを用いる脂質二分子膜へのジブカインの分配測定

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  • Partition coefficients of the local anesthetic dibucaine into a lipid bilayer membrane determined with a dibucaine cation sensor
  • キョクショ マスイヤク ジブカインカチオンセンサー オ モチイル シシツ 2ブンシ マク エ ノ ジブカイン ノ ブンパイ ソクテイ

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抄録

局所麻酔薬ジブカインカチオンに選択的に応答する被覆線型イオン選択性電極を用いて，pH 5.5～6.5の範囲におけるレシチンベシクル膜へのジブカインの分配係数を測定した．各pHでの分配係数は濃度依存性を示したが，ジブカインの低濃度領域では一定値を示すことから，麻酔薬の無限希釈における分配係数を決定した．分配係数はpHが上昇するに伴い増大する傾向を示した．これは，ジブカインの25℃ におけるpKaが8.72であることから，溶液中の非解離型分子種が増すとその分配係数が大きいため，分配係数はpHの上昇に伴って増大すると考えられる．分配係数のpH依存性の解析から麻酔薬の解離型・非解離型それぞれの分配係数への分割を行った．分配係数はそれぞれ，解離型では1.6×104，非解離型では8.0×106の値を示した．本研究の局所麻酔薬電極は，生体膜への麻酔薬分配計測に有用であると考えられる．<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 52 (9), 781-785, 2003

    公益社団法人 日本分析化学会

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