不正軽油製造に伴う廃棄物中のクマリンの定量

書誌事項

タイトル別名
  • Determination of Coumarin in Wastes from the Production of Illegal Gas Oil
  • フセイ ケイユ セイゾウ ニ トモナウ ハイキブツ チュウ ノ クマリン ノ テイリョウ

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説明

硫酸ピッチ等廃棄物中のクマリンの分析方法について検討した.その結果,クマリンは,遮光下においてアルカリ性水に抽出し,そのアルカリ性水を酸性化後,再合成したクマリンをジクロロメタンで溶媒抽出することで,ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により定量性良く分析できた.クマリンはアルカリ性水溶液中でcis-o-ヒドロキシケイ皮酸陰イオンに加水分解し,紫外線によりtrans-o-ヒドロキシケイ皮酸陰イオンに異性化する.異性化したtrans体からはクマリンは生成しないため,異性化を防ぐ遮光が必要であった.この方法で硫酸ピッチ等廃棄物を分析したところ,硫酸ピッチから51~72 mg/kg,アルカリスラッジから0.16~0.43 mg/kgのクマリンが検出され,不正軽油製造に関与したものであることが推定された.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 59 (5), 405-409, 2010

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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