インクジェットを用いる迅速平衡ヘッドスペース法の開発と水中揮発性有機化合物分析への適用

  • 清野 信子
    首都大学東京都市環境科学研究科環境調和・材料化学専攻 富士電機システムズ株式会社
  • 金子 裕司
    首都大学東京都市環境科学研究科環境調和・材料化学専攻
  • 中嶋 秀
    首都大学東京都市環境科学研究科環境調和・材料化学専攻
  • 内山 一美
    首都大学東京都市環境科学研究科環境調和・材料化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Head Space Method Based on Rapid Vapor-Liquid Equilibrium with Ink-Jet and Its Application to On-Line Analysis for Volatile Organic Compounds in Water
  • インクジェット オ モチイル ジンソク ヘイコウ ヘッドスペースホウ ノ カイハツ ト スイチュウ キハツセイ ユウキ カゴウブツ ブンセキ エ ノ テキヨウ

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抄録

ヘッドスペース(HS)法は,揮発性有機化合物(VOCs)のガスクロマトグラフィー(GC)分析の前処理として知られている.静的HS法は簡便な装置で実現可能であるが,平衡到達までに長時間を要する.そこで静的HS法において,気液平衡を迅速に達成するため,インクジェットによる迅速平衡HS法を考案し,その特性について検討した.すなわちインクジェットを利用して,試料溶液を微細液滴として密閉容器内に吐出することで気液界面の面積を大幅に拡大した.これにより迅速な気液平衡達成が期待される.本法を水中のVOCsモデル試料の測定に適用し,従来の静的HS法と比較したところ,平衡到達時間を半分に短縮できることを確認した.RSDsは3.0~14%,0.01~1 ppmのVOCsの相関係数は0.992~0.999が得られ,再現性及び直線性ともに良好であった.更に本法を水道水と排水中のVOCsの測定に適用し,VOCsを検出できることを確認した.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 59 (7), 619-625, 2010

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (33)*注記

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