アルコール水溶液中の水の水素結合‐モル吸光係数の拡張概念によるスペクトル解析‐

  • 池羽田 晶文
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Hydrogen Bonding of Water in Aqueous Alcohol Solution : Spectral Analyses by an Extended Concept of Molar Absorption Coefficient
  • 年間特集「水」 アルコール水溶液中の水の水素結合--モル吸光係数の拡張概念によるスペクトル解析
  • ネンカン トクシュウ ミズ アルコール スイヨウエキチュウ ノ ミズ ノ スイソ ケツゴウ モル キュウコウ ケイスウ ノ カクチョウ ガイネン ニ ヨル スペクトル カイセキ

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抄録

水に可溶な1価のアルコールの水和について近赤外分光法を用いて調べた.注目した波数域は7000 cm−1付近に観測される水及びアルコールのO–H伸縮振動に起因するバンドだが,水素結合の影響を反映するため吸光度の増減はBeerの法則には従わない.そこで分子間相互作用の効果が顕な場合のスペクトル解釈のため,モル吸光係数の拡張概念である部分モル吸光係数を提案する.更にそこから非理想成分だけを表す過剰部分モル吸光係数を計算したところ,ブロードなバンドに隠れていた水素結合種を特定することに成功した.結果として,アルコール濃度25 mass% 以下では溶質の水和に伴い水の水素結合は強化されること,またそれ以上の濃度では水と溶質はそれぞれドメインに分離した状態に近いことが示唆された.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 59 (1), 13-21, 2010

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (48)*注記

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