原子間力顕微鏡による機能分子の特異的な分子間相互作用力の直接測定と評価

  • 門 晋平
    和歌山大学システム工学部精密物質学科
  • 木村 恵一
    和歌山大学システム工学部精密物質学科

書誌事項

タイトル別名
  • Direct Observation of Specific Intermolecular Forces in Functional Molecules by Atomic Force Microscopy
  • ゲンシカンリョク ケンビキョウ ニ ヨル キノウ ブンシ ノ トクイテキ ナ ブンシ カン ソウゴ サヨウリョク ノ チョクセツ ソクテイ ト ヒョウカ

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抄録

近年,原子間力顕微鏡をフォースセンサーとして用いる分子間相互作用の直接測定が,様々な分子対について報告されている.その原理は,探針と基板表面にそれぞれ相互作用する分子をチオールやシラン誘導体の自己集合単分子膜により化学的に固定化し,両者の間に生じる力を測定することに基づく.この手法は,分子間力のメカノケミカルな測定に基づく新規な分析技術へ発展する可能性を秘めている.本研究では,機能分子を化学修飾することにより,この測定手法を用いて,それらの有する特異的な分子間相互作用力を直接測定することを試みた.機能分子として,分析化学的に重要なホスト分子であるクラウンエーテルや尿素誘導体,また,光応答機能を有するフォトクロミック分子であるスピロベンゾピラン誘導体を測定対象に選んだ.それぞれの分子が示す特徴的な相互作用力の測定と単一力の評価の結果を示すとともに,この手法の分析化学的な応用展開について記述する.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 55 (6), 369-380, 2006

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (144)*注記

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