β‐ジケトンとシッフ塩基による亜鉛(II)の抽出挙動とユウロピウム(III)の抽出と蛍光に及ぼす亜鉛(II)の効果

書誌事項

タイトル別名
  • Extraction Behavior of Zinc(II) with .BETA.-Diketone and Schiff Base, and the Effects of Zinc(II) on Extraction and Fluorescence of Tris(.BETA.-diketonato)europium(III)
  • β-ジケトンとシッフ塩基による亜鉛(2)の抽出挙動とユウロピウム(3)の抽出と蛍光に及ぼす亜鉛(2)の効果
  • ベータ ジケトン ト シッフ エンキ ニ ヨル アエン 2 ノ チュウシュツ キョドウ ト ユウロピウム 3 ノ チュウシュツ ト ケイコウ ニ オヨボス アエン 2 ノ コウカ

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抄録

蛍光体として優れた機能を発現する複核錯体を協同効果を利用した溶媒抽出法で調製するための条件設定の基礎データを得ることを目的として,亜鉛(II)とユウロピウム(III)を含む水溶液とHpta(ピバロイルトリフルオロアセトン,HA)とH2(salchn){ビス(サリチリデン)シクロヘキシルジアミン,H2B}を含むCHCl3溶液とを振り混ぜたときに起こる素平衡を詳細に解析した.その結果,(1) H2BはEuA3とだけでなく,ZnA2とも錯体を作る,(2) ZnBはEuA3とH2Bよりずっと安定な錯体を作る,(3) ZnBはZnA2よりずっと抽出されにくいが,水溶液中にZnイオンがあると,EuA3ZnB,複核錯体が主抽出種となることが分かった.水溶液に十分な量の亜鉛(II)を共存させるとEu(III)はHptaとH2(salchn)によってほぼ定量的に抽出されEuA3ZnBを調製することができる.ZnA2H2Bは470 nmに弱い蛍光ピークをもつ.ZnBは450 nm付近にピークをもち,青色蛍光を示すが,EuA3ZnBが生成するとZnBの蛍光は減少し,612 nmの赤色の強い蛍光は増大する.Eu(III)とZn(II)を抽出したCHCl3相の蛍光スペクトルではZnBが事実上存在しないことを反映して450 nm付近に蛍光はないが,612 nmの蛍光強度は水相に亜鉛(II)を含まないときに比べ著しく増大した.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 57 (8), 585-591, 2008

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (14)*注記

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