• 林 宏成
    金沢大学大学院自然科学研究科物質工学専攻
  • 佐々木 千鶴
    金沢大学大学院自然科学研究科物質工学専攻
  • 国本 浩喜
    金沢大学大学院自然科学研究科物質工学専攻
  • 前田 史郎
    福井大学工学部生物化学工学科
  • 細井 信造
    九州保健福祉大学薬学部薬学科
  • 桑江 彰夫
    名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科生体物質情報系
  • 花井 一彦
    名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科生体物質情報系

書誌事項

タイトル別名
  • Aggregation behavior of Dabsylated Amino Acids in Aqueous Solution
  • スイヨウエキ チュウ ニ オケル ダブシル アミノサン ノ カイゴウ キョドウ

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抄録

ダブシルクロリド(Dabs-Cl)は,高速液体クロマトグラフィーなどによるタンパク質分析の際のアミノ酸標識剤である.著者らは,Dabs-Clで標識された一連のダブシル化アミノ酸(Dabs-AA)を合成し,紫外可視吸収スペクトル及び円二色性(CD)スペクトルを測定し,Dabs-AAの水溶液中での会合挙動を検討した.希薄水溶液では,Dabs-AAの可視部の吸収はジメチルアミノアゾベンゼン色素特有のpH依存性を示す.Dabs-AAの濃度上昇に伴い,500 nm付近のDabs-AAのモノマー由来の吸収は減少し,360~400 nm領域にダイマーに由来するピークが観測される.ダイマーの形成は共溶媒として用いたジメチルスルホキシド濃度,溶液温度及びアミノ酸側鎖(R)に依存する.Dabs-L-Pheの363 nmに観測されるダイマーの吸収帯に対応して,379 nmに負の第一コットン効果,359 nmに正の第二コットン効果をもつ強い誘起分裂型CDスペクトルが観測された.これらの結果から水溶液中では,Dabs-L-Pheは負のキラリティーを示す配向でダイマーを形成していることが示唆された.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (9), 799-805, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (27)*注記

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