全反射熱レンズ法によるリン脂質二分子膜中への銅(II)イオンの移動の観察

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タイトル別名
  • Observation of a metal cation entering into a phospholipid bilayer by total internal reflection with thermal lens spectroscopy
  • ゼン ハンシャ ネツ レンズホウ ニ ヨル リン シシツ 2ブンシ マク チュウ エ ノ ドウ 2 イオン ノ イドウ ノ カンサツ

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抄録

著者らは,非破壊高感度表面分析法である全反射熱レンズ法を用いて,金属イオンのリン脂質二分子膜中への移動のモニタリングを行った.事前にリン脂質中に金属指示薬である1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール(PAN)を混ぜておき,ガラス平板上にPANを膜中に含むリン脂質二分子膜を作製した.金属イオン(Cu2+)が膜中に入ると膜中のPANと反応しPAN-Cu錯体となり,色が変化することでCu2+の膜中への移動を観察した.リン脂質は,1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルコリン(DOPC),1-ステアロイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルセリン(SOPS)の2種を用い,その混合割合を変化させ測定した.DOPC:SOPS=7:3の場合ではCu2+の膜中への移動が観察されたが,その他の組成の場合は観察されなかった.また,DOPC:SOPS=7:3で同様の実験を繰り返し行ったところ,全く別の形状で信号強度の低下が観察された.加えてCu2+の対イオンを変化させた実験も行った.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 53 (10), 1067-1072, 2004

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (30)*注記

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