表面・界面・ナノチャンネルにおける分子・粒子識別に基づく新分析法

  • 伊藤 貴志
    テキサスA&M大学化学科 現在所属 カンザス州立大学化学科

書誌事項

タイトル別名
  • Development of new analytical methodologies based on molecule/particle recognitions at surfaces, interfaces, and carbon nanotube channels
  • ヒョウメン カイメン ナノチャンネル ニ オケル ブンシ リュウシ シキベツ ニ モトヅク シン ブンセキホウ

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抄録

本稿では,表面・界面・ナノチャンネルにおける化学的相互作用・立体的相互作用を利用した新たな分析法について,主に著者がかかわった研究を中心に解説した.具体的には,電荷中性型フェノール類によるポリ塩化ビニル支持液膜の界面電位変化に関する研究,液/液・固/液界面におけるキレート錯形成に基づく3価希土類イオンの電気化学的センシングに関する研究,化学修飾探針を用いた原子間力顕微鏡による表面化学種センシングに関する研究,分子探針を用いた走査型トンネル顕微鏡による表面官能基・分子の直接識別法の開発,多層カーボンナノチューブの内筒を利用した単分子・ナノ粒子に対する検出・識別法の開発,を取り上げた.これらの手法により,従来法では得られない情報の取得や新たな化学センサーの開発が可能となる.更にこのうちの幾つかの手法では,単一分子・ナノ粒子の識別・検出が可能であり,高感度な絶対的定量法の開発につながりうるほか,分析対象の性質の平均のみならず,ばらつきが評価できるという非常にユニークな特色を有している.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 53 (7), 657-675, 2004

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (120)*注記

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