1,8‐ジヒドロキシナフタレンを用いるホウ素のシンクロナス‐一次微分蛍光定量

書誌事項

タイトル別名
  • Synchronous First-Derivative Fluorescence Determination of Boron with 1,8-Dihydroxynaphtalene
  • 1,8-ジヒドロキシナフタレンを用いるホウ素のシンクロナス-一次微分蛍光定量
  • 1 8 ジヒドロキシナフタレン オ モチイル ホウソ ノ シンクロナス 1ジ ビブン ケイコウ テイリョウ

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説明

ホウ素の蛍光定量に使用されるクロモトロープ酸とその類似の化合物は,高い空試験値を示すことが知られている.高い空試験値は検出限界に影響を与え,再現性の減少をもたらすことが多い.過剰試薬の影響の除去法としてpHを変化させる方法以外に溶媒抽出法等が利用されている.クロモトロープ酸と類似の構造を持つ1,8-ジヒドロキシナフタレン(1,8-DHN)はホウ素と6員環の錯体を生成し,スルホン基を有しないため溶媒抽出しやすい試薬である.本法は従来ホウ素蛍光定量法として使用されていなかった1,8-DHNを使用し,過剰な試薬を有機溶媒(クロロホルム3 mL)で抽出除去後,錯体を水相に残す方法でホウ素の蛍光定量を試みた.測定は励起波長305 nm,蛍光波長360 nm で行った.また,シンクロナス-微分蛍光法を用いて検量線を作成した結果,0∼120 ppbの範囲で相関係数0.999の良好な直線関係が得られ,検出限界は7.3 ppb(クロロホルム3 mLを使用),相対標準偏差は3.0%(30 ppb,n = 5)であった.クロロホルムを30 mL使用する場合は検出限界が16 ppbであり,これにシンクロナス-微分蛍光法を併用することにより,検出限界を約10分の1(1.7 ppb)に改善することができた.本法を河川水標準試料に適用した結果は良好であった.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 56 (3), 151-157, 2007

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (30)*注記

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