超臨界二酸化炭素を用いる土壌中ダイオキシン類抽出における水のエントレーナー効果

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タイトル別名
  • Entrainer Effect of Water on Supercritical Carbon Dioxide Extraction for Dioxins in Soils
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説明

本報は,超臨界二酸化炭素を用いた土壌中polychlorinated dibenzo-p-dioxins/polychlorinated dibenzofurans(PCDD/DFs)抽出において水のエントレーナー効果を明らかにした.その最適抽出条件は圧力30~40 MPa,温度130~190℃,エントレーナー流量0.04 ml/min(CO2流量比: 2%)で,抽出に要した時間は約50分間であった.その最適抽条件におけるPCDD/DFsの抽出効率はソックスレー抽出を100% とした場合,その約80% であった.これはトルエン(CO2流量比: 10%)やメタノール(CO2流量比: 5%)をエントレーナーとした場合とほぼ同等の値であったことから,水はそれらの有機溶媒とほぼ同等のエントレーナー効果を持つことが分かった.また,本抽出法において抽出前に内標準物質を土壌試料に添加することで,その実測濃度は公定法の値とほぼ同等の値になることが確かめられた.これらのことから,水をエントレーナーとした本抽出法は土壌中PCDD/DFsの抽出法としてその妥当性が確認されただけではなく,作業環境上の観点からも安全性の高い抽出法であると言える.水は人体に無害であり,可燃性もなく,また安価であるため,トルエンやメタノールに代わる新たな溶媒としてその有用性は極めて高いと言える.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (1), 43-49, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (23)*注記

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