ビス(クラウンエーテル)化合物を用いるナトリウムイオン選択性電極に対する陰イオン妨害

書誌事項

タイトル別名
  • Anion Interference in Response of Sodium Ion-selective Electrodes Based on a Bis(crown ether) Compound

説明

ビス(12-クラウン-4)を用いた高分子支持液膜型ナトリウムィオン選択性電極に対する陰イオン妨害について感応膜表面の観察によりその機構を明らかにし,さらに膜材料の選択により妨害の排除法について検討した。このナトリウムイオン選択性電極は比誘電率(εr)の高い可塑剤を用いるとスロープ感度は低く,親油性陰イオンによる妨害が大きい。減衰全反射法を用いたフーリエ変換赤外分光光度法による感応膜表面の観察から,この妨害は親油性陰イオンの感応膜内への拡散により発生することを確認した。陰イオン妨害の排除には感癒膜材料として比誘電率の低い可塑剤と脂溶性の高い添加剤を併用することが効果的であった。そこで,可塑剤と添加剤にはそれぞれアジピン酸ジオクチル(εr=4)とテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ナトリウムを用いた。これらの感応膜材料を用いて親油性陰イオンによる妨害を排除したナトリウムイオソ選択性電極は良好なNernst応答(スロープ感度156rnV/dec,直線範囲:5×10-5~100mol/l)を示し,高精度な血清分析が可能であった。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

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