有機塩素系農薬の特定地域での環境中運命予測

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タイトル別名
  • Prediction of Environmental Fate of Organochlorine Pesticides in a Specific Area
  • ユウキ エンソケイ ノウヤク ノ トクテイ チイキ デ ノ カンキョウチュウ
  • Special Articles on Global and Regional Environment and Chemistry. Prediction of Environmental Fate of Organochlorine Pesticides in a Specific Area.

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抄録

農薬による環境汚染が農地だけでなくゴルフ場近傍などでも問題となり,適切な対策が強く求められている。本研究では,農薬汚染に関する環境安全性を定量的に評価し,対策をとる上での基礎的知見を得ることを目的として,使用量の多い10種類の有機塩素系農薬について,東京都とその周囲3県を対象例として,農薬の物理化学的および生物学的特性値をもとに速度論モデルを用いることにより,環境中での農薬の運命予測を試みた。その結果,(1)環境への進入が連続とみなせる場合,土壌が主要汚染コンパートメソトとなる傾向が強いが,気液平衡定数の大きい農薬は大気も,また,土壌吸着平衡定数の小さい農薬は水も主要汚染コンパートメントになると推算された。(2)底質中濃度は中間代謝物を含めるとかなり高くなる可能性があった。(3)ベンチオカーブとCNPについて環境への進入を瞬間的とみなした場合,水中濃度は,土壌からの流出による増加と微生物分解などによる減少とから,進入10~30日後に最大値を示した後に徐々に減少すると推算された。(4)連続的進入時の定常濃度から人体摂取量を推算した結果,本研究の対象地域のようにある程度以上広い地域については,環境からの対象農薬の摂取量は問題のないレベルであり,狭い地域の局地汚染に注意すれぽよいことが萌らかになった。

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