嚥下痛と発熱の症状により発見された気管支原性嚢胞の1例

  • 福田 高士
    福岡大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 樋口 隆男
    福岡大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 大渕 俊朗
    福岡大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 柳澤 純
    福岡大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 白石 武史
    福岡大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 岩崎 昭憲
    福岡大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of bronchogenic cyst with nonbacterial inflammation

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抄録

嚢胞性縦隔腫瘍は症状を呈することは稀である.今回われわれは嚥下痛と発熱の症状により発見された気管支原性嚢胞の1例を経験したので報告する.症例は23歳女性で,初発症状は嚥下痛であった.その後,38℃台の発熱が出現し原因精査のため施行されたCTにより発見された.血液生化学検査ではCRPの上昇を認めるのみであった.手術は胸腔鏡補助下縦隔腫瘍摘除術を施行した.手術翌日より解熱し,術後11日目には合併症なく退院した.嚢胞の内溶液に細菌感染は認められず,病理検査の結果,気管支原性嚢胞と診断された.一般に同疾患は無症状で,一部に発生部位に一致した圧迫症状を認めることがあると報告されているが,本症例のように無菌性炎症と発熱を伴う気管支原性嚢胞は比較的稀である.原因不明の炎症が胸部にある場合は気管支原性嚢胞も鑑別疾患の一つになり得ると考えられた.

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