温阻血再灌流後の肺水腫におけるアラキドン酸代謝産物の変動について

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タイトル別名
  • Changes of blood and BALF levels of arachidonic acid metabolites in pulmonary edema after warm ischemia-reperfusion

説明

肺移植後に,肺水腫を主とするreimplantation responseがおこる.我々は,アラキドン酸代謝産物の肺に対する強い生理活性に着目し,この間題との関連性を検討する目的で,雑種成犬を用いて,hilar strippingを施したI群と,さらに左肺動静脈を60分間閉塞したII群を作製した.これらから術後7日目まで経時的に,肺湿乾燥重量比と全肺血管抵抗を測定した.さらに動脈血と気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取し,アラキドン酸代謝産物であるLeukotriene B_4,C_4(LTB_4,C_4)とThromboxane B_2(TXB_2)を測定した.II群ではI群に比べて,肺湿乾燥重量比,全肺血管抵抗ともに有意に上昇した.II群で,血中LTC_4が再灌流直後より上昇を認め,血中より遅れてBALF中LTC_4が上昇し,肺湿乾燥重量比に相関して変動した.以上より,reimplantation responseとくに肺水腫の発生にアラキドン酸代謝が関与していることが示唆された.

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