胸腔鏡下に切除と神経再建を行った横隔神経鞘腫の1例

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  • A case of phrenic nerve schwannoma resection and phrenic nerve reconstruction by VATS

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抄録

右胸腔内横隔神経に発生した神経鞘腫の一例を経験した.症例は58歳,女性.検診での胸部X線写真で右縦隔の異常陰影を指摘された.胸部CTでは右縦隔で上大静脈に接する境界明瞭な腫瘤陰影を認めた.右縦隔腫瘍(右横隔神経由来の神経原性腫瘍の疑い)の診断で胸腔鏡下に腫瘍摘出術を施行した.摘出腫瘍は右横隔神経から発生した36×26×25 mmの神経鞘腫で,横隔神経を切離して腫瘍を摘出後に神経の断端を胸腔鏡下に再建した.術後3ヵ月目の胸部X線写真で右横隔膜の可動性は改善し,横隔神経機能の回復を確認した.横隔神経発生の神経鞘腫は稀な疾患であり,本邦における報告例は自験例を含め27例にすぎない.また,本症例は胸腔鏡下に腫瘍を切除した後に横隔神経の再建を行い,神経機能が改善した最初の報告である.

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