若年男性の右自然気胸周術期に発症した肺血栓塞栓症の1例

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  • A case of pulmonary thromboembolism developing in a young male patient during surgery for right spontaneous pneumothorax

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抄録

<p>症例は19歳,男性.右胸痛と呼吸困難にて近医を受診した.右自然気胸の診断で保存的治療を行ったが改善しないため,本院に転院し手術の方針となった.麻酔導入後,左片肺換気でSpO2が70%まで低下した.気管支鏡で分離肺換気用チューブの位置の確認と痰による気管支閉塞がないこと,聴診所見等に異常所見がないことを確認した.分離肺換気に伴う換気血流不均等分布が強く生じていると判断し,左片肺換気に右肺の持続陽圧換気を加えて手術を継続した.しかし,手術を終了し麻酔覚醒後も低酸素血症が持続した.精査にてD-dimerの高値,CTで左主肺動脈に血栓を認め肺血栓塞栓症と診断した.下大静脈フィルターの留置と抗凝固療法で加療し,潜在的な血栓素因の検索でアンチトロンビンIII欠損症が疑われた.若年者であっても肺血栓塞栓症の危険因子が潜在していることがあり,常に肺血栓塞栓症の可能性を留意しておく必要がある.</p>

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