DICを伴う塩酸中毒に対してダメージコントロール手術を行った1例

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タイトル別名
  • A case of gastrointestinal tract necrosis with disseminated intravascular coagulopathy after ingesting large amount of strong acid treated surgically by damage control surgery

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説明

大量の高濃度塩酸を内服し,ショック・凝固障害が強いためダメージコントロール手術を施行した症例を報告する。症例は70歳の男性で,35%塩酸250mlを経口摂取した。摂取後7時間でショック状態となり,消化管壊死と診断し,緊急手術を施行した。術中著しい凝固障害のため,胃全摘・膵温存十二指腸切除のみとし,vacuum pack closureにて閉腹とした。術後,ICUにて循環動態・凝固障害を改善させ,食道摘出・膵胆管空腸吻合を予定としていた。しかし,家族の同意が得られず,ガーゼ抜去のみの姑息的手術となったが,再手術時には全身状態良好であった。術後,壊死食道を残しており,第28病日,縦隔炎のため死亡した。外傷患者でなくても,ダメージコントロール手術は全身状態不良な患者における手術にも十分応用できる。

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