書誌事項
- タイトル別名
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- Equine Infectious Anemia-Research in Japan on the Virology, Immunology, Pathogenesis and Control.
説明
馬伝染性貧血(伝貧)の原因がウイルス感染であることを初めて明らかにしたのは1904年の,ValleeとCarreの報告である.しかし,その後の半世紀の間,本病が馬属以外に感染しないことと,in vitroでの増殖系が見つからないままに,病原体に関する研究はほとんど進展しなかった.1961年になると小林は,ウマの末梢血由来の培養白血球に本ウイルスが細胞変性効果を伴って良好に増殖することを発見し,in vitroでのウイルスの増殖と定量を可能にした.以来この系を用いて,伝貧ウイルスの形態学的,理化学的,生物学的性状に関する研究は急速に進展した.これらの諸性状をもとに,伝貧ウイルスはヒト後天性免疫不全症候群(エイズ)の病原ウイルスなどとともに,レトロウイルス科のレンチウイルス亜科に分類されている.<BR>また,甲野らによって証明された,短期間に抗原変異をおこして宿主動物の防御機構から巧みに生き残る持続感染機構の発見は世界で初めてのことで,エイズの原因ウイルスと同様の仕組みをすでに20年も前に明らかにしたことは特筆すべきである.<BR>さらにウイルスを抗原として,日本人研究者により抗原抗体反応を基本とした特異的な血清診断法がつぎつぎと開発・確立され,世界の伝貧防疫に貢献したことは大いに誇れるものである.<BR>この総説では,これらの研究を基調に,主に日本人によって過去数十年間にわたって推進された病原ウイルス,免疫,病理発生および防疫に関する研究の成果について紹介する.
収録刊行物
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- Journal of Equine Science
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Journal of Equine Science 5 (1), 1-19, 1994
日本ウマ科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204370137472
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- NII論文ID
- 130004014228
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- DOI
- 10.1294/jes.5.1
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- ISSN
- 13477501
- 13403516
- http://id.crossref.org/issn/13403516
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可