急性一酸化炭素(CO)中毒におけるCOガスの暴露時間と頭部CT/MRI異常所見の関連性

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  • The relationship between exposure time to CO gas and abnormal findings of head CT/MRI in acute CO poisoning

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背景:急性一酸化炭素(CO)中毒では,COの暴露程度により頭部CTやMRI検査(以下CT/MRI)で大脳基底核や大脳白質に異常所見が認められる。対象・方法:2006年1月から2009年12月の間にCO暴露時間が判明している高気圧酸素療法(hyperbaric oxygen therapy; HBOT)を施行したCO中毒41例を対象とした。来院3病日以内に頭部CTもしくは頭部MRI検査を施行し,CT検査で淡蒼球を含む大脳基底核に低吸収域を,MRI検査のT2強調画像で同部位に高信号域を認めた異常所見群と認めなかった正常群に分類し,患者背景,搬入までの状況,搬入時の検査結果などを後ろ向きに検討した。結果:正常群は30症例,異常所見群は11症例であった。COの暴露時間は異常所見群が正常群と比較して長時間であり,統計学的な有意差を認めた。CT/MRI異常所見の発生予測に関するreceiver operating characteristic(ROC)曲線では,曲線下面積は0.759で至適カットオフ値は570分(9時間30分)であった。結語:初期のCT/MRIで異常所見を認める急性CO中毒症例は曝露時間が長く,カットオフ値を570分とすることでCT/MRIの異常所見を予測しうる。今後,暴露時間からHBOTの適応を決定できる可能性がある。

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