脂質ラフトと抗糖脂質抗体

  • Kasahara Kohji
    Laboratory of Biomembrane, Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science

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  • Lipid Rafts and Anti-Glycolipid Antibodies

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抄録

脂質ラフトはスフィンゴ糖脂質、コレステロールとタンパク質のダイナミックな集合体であり、安定化することでシグナル伝達制御にかかわる中継点として働く。脂質ラフトには質的および機能的な不均一性が存在することが知られている。抗スフィンゴ糖脂質モノクローナル抗体はシグナル伝達分子を含む質的に特異的な脂質ラフトをさまざまな細胞や組織から単離することができる。無傷細胞を抗スフィンゴ糖脂質モノクローナル抗体で処理すると、特異的な脂質ラフトを介したシグナル伝達を惹起することができる。よって抗スフィンゴ糖脂質モノクローナル抗体は、ラフトシグナルの不均一性を解析するうえで有用な道具である。ギランバレー症候群やフィッシャー症候群は、末梢神経障害を臨床症状とする自己免疫性神経疾患である。患者の抗ガングリオシド抗体は、脂質ラフトの機能を障害しているかもしれない。

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