1995年国勢調査データを用いた山村の人口動向に関する一考察

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  • 1995ネン コクセイ チョウサ データ オ モチイタ サンソン ノ ジンコウ

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抄録

本研究では「山村振興法」が対象としている「振興山村」(以下山村)について,その近隣都市に着目し,山村からの所要時間や近隣都市の人口規模と山村の人口動向との関連について考察した1960年代には近隣都市への所要時間に関係なく,いずれの山村においても人口は減少していたが,高度成長期後の1970年代以降は所要時間が短い山村ほど人口の増加している割合が高いことがわかった。このように山村の人口動向と所要時間に密接な関連が見いだせたのだが,1990年代になるとその関連は希薄になり,所要時間が人口増加には寄与しないことが明かとなった。また,人口の増加している山村についてその近隣都市の人口規模を見ると,10万人未満のものが半数以上を占めた。以上より山村の人口増加策としては,道路やトンネルの整備等によって近隣都市までの所要時間を短縮したり,人口規模の大きい近隣都市を重点的に振興させるというやり方は必ずしも有効ではないと考えられる。

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