太平洋数十年規模気候変動と海洋潮汐18.6年周期変動との関連性

  • 建部 洋晶
    国立研究開発法人 海洋研究開発機構 気候モデル高度化研究プ ロジェクトチーム
  • 長船 哲史
    国立研究開発法人 海洋研究開発機構 地球環境観測研究開発セ ンター

書誌事項

タイトル別名
  • Possible relationship between Pacific interdecadal climate variability and the periodic 18.6-year tidal oscillation in the ocean
  • タイヘイヨウ スウジュウネン キボ キコウ ヘンドウ ト カイヨウ チョウセキ 18.6ネン シュウキ ヘンドウ ト ノ カンレンセイ

この論文をさがす

抄録

<p>海洋潮汐と気候との関連性を調べるにあたり,太平洋数十年規模気候変動に関する観測及びモデリングの先行研究をまとめ,今後展開すべき研究の方向性を議論した。北太平洋中緯度気候は,現実には大気を介した熱帯からの影響を多分に受けている。また,観測結果からその存在が報告されている約20年周期の気候変動は,大気海洋結合系自励振動として,潮汐変動がなくとも生じると考えられている。数100年間にわたるプロキシデータには,潮汐変動に対応した18.6年周期成分が有意に検出される。しかし,これが潮汐に起因する気候変動のシグナルなのか,それとも単に局所的な潮汐の影響によるシグナルなのか,現時点での判断は難しい。海洋潮汐が気候変動を制御する一要因であることを実証するためには,モデリング研究に立脚したメカニズムの提示及び不確実性の定量化が望まれる。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 27 (1), 3-18, 2018

    日本海洋学会

参考文献 (87)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ