海色データから推定した大村湾のクロロフィルa濃度の検証

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タイトル別名
  • Verification of Chlorophyll a Concentration Estimated from Ocean Color Data in Omura Bay
  • カイショク データ カラ スイテイ シタ オオムラワン ノ クロロフィル a ノウド ノ ケンショウ

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抄録

典型的内湾である大村湾で,衛星海色データおよびその水中アルゴリズムが適応できるかどうかの検証を行った。OCTSバージョン4およびSeaWiFSバージョン2は,いずれも大村湾のクロロフィルa濃度を約10倍程度過大評価した。水中分光放射計のデータから計算した海表面射出輝度にSeaWiFS OC2水中アルゴリズムを適応して推定したクロロフィルa濃度は,現場クロロフィルa濃度が3μgl-1以下で過大評価,3μgl-1以上で過小評価した。その誤差は衛星データと比較すると小さかったことから,大気補正にも問題があることが明らかとなった。大村湾の海面射出輝度スペクトルは,外洋域のスペクトルと比較すると,短波長側で小さく,有色溶存有機物の存在によって,外洋用の水中アルゴリズムが適応できなくなることを示唆した。また,長波長側の輝度は大きく,これまでの大気補正での仮定が成り立たないことを示した.沿岸域で利用の可能な海色アルゴリズムを早急に開発する必要がある。

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 11 (2), 235-241, 2002

    日本海洋学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (26)*注記

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