林業経営情報としてのスギ樹幹ヤング係数の利用

  • 寺岡 行雄
    鹿児島大学農学部生物環境学科森林管理学講座
  • 高田 克彦
    九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門森林機能開発学講座
  • 古賀 信也
    九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門森林生態圏管理学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Use of trunk-MOE of Japanese cedar as forestry management information
  • リンギョウ ケイエイ ジョウホウ ト シテ ノ スギ ジュカン ヤング ケイスウ ノ リヨウ

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抄録

スギ樹幹ヤング係数を立木段階で測定し,その林業経営情報への利用について検討することを目的とした。オビスギ系人工林を対象として,生立木曲げ試験法により樹幹ヤング係数および樹高・胸高直径の測定を行い,両者の関係について解析した。次に林分内の樹幹ヤング係数を制御するための間伐方法の検討を行い,林業経営情報としての応用について考察した。結果として次のことが得られた。1)胸高直径と樹幹ヤング係数との間に緩やかな負の相関が認められた。2)19年,23年生の2時点間で樹幹ヤング係数に大きな変化は見られず,測定方法の再現性と成熟材の形成が認められた。3)胸高直径を基準とした間伐により,樹幹ヤング係数の平均値が変化することが分かった。しかし,その変動係数および下限値には大きな変化は見られなかった。以上の結果から,間伐により経営目標ごとに要求される強度性能を持った林分へ誘導する可能性が示唆された。また,立木段階で強度等の材質情報を林業経営情報に付加することにより,利用者サイドで必要とされる木材の効率的な生産が可能になると考えられた。

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参考文献 (29)*注記

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